«過去アリ少女と訳アリ集団»
…なんて、そんなこと考えてる場合じゃないか。
一旦窓から引き返し、机の上に置いてあるスマホを手に取り指を滑らす。
いくら僕でも、こんなに呼び掛けてくれる大切な仲間を無視することなんて出来ないよ…。
『─あ!!もしもし!?侑麻!?』
「相変わらずうるさいなぁ…。そうに決まってるでしょお」
窓から少し離れた位置で外にいる都環達を眺めながら会話する。
『…なあ、お前、いつ戻ってくんだ?』
「…そんなの…」
言い詰まった僕に、咎めることもせず、ただ返答を待ってくれる都環。
そんな優しさがどこか懐かしくて、胸が少し苦しくなる。