«過去アリ少女と訳アリ集団»
俺に言われ渋々都環達の元へ向かった沖は、宥めるように言った。
「ほら、あんまりうるさくするとまた時雨に怒られるよ?あっ、それに莉舞ちゃんいるんだからもっと気を使ってあげなよ!」
「また女かよ……え?」
え、あいつ居たんだ…。
沖の発言から、今更ながらに部屋を見回すと。
「…いた」
部屋の隅で一人、静かに佇んでいた。
よくこの状況でとは思ったが、どうでもいいので再び沖達の方へと視線を戻すと、都環は激昂しているのか、怒鳴り散らしていた。
「うるせぇ!!どうでもいいだろ!!」
それを聞いた双子どもはあからさまに嫌悪感を出して反論した。
「「うっわ…ダメ男……」」
「そおそお!女の子に向かってそれはないんじゃないのお?」
すると、珍しく女に気を使う双子に同調したのか、侑麻まで口をとがらせて言い始めた。
このまま言い争わせておくと時雨に色々言われそうなので、そろそろ止めるかと身を乗り出したときだった。
「おい、いい加減に…」
─ピンポンパンポーン