«過去アリ少女と訳アリ集団»
『生徒会広報、生徒会広報は今すぐ職員室に来るように』
「…っち、行ってくるか…。おい侑麻!さっさと行くぞ」
「はぁ~い」
広報である二人が出て行った後の平穏さといったら…。
「…なんか仕事あったっけ?」
先ほどの放送の内容が気になったのか、沖が首を傾げると、それはね、と時雨が登場した。
「球技大会がそろそろあるからね。それの連絡だろうな」
お前等全員忘れてるだろうけどな、と時雨は加えた。
「…え…」
「球技大会…?」
「そんなの…」
「ありました…?」
「お前等……」
肩をすくめる時雨を見かねたのか、いつの間にかソファーに座っていた珊が助け舟を出した。
「去年は体育館の修繕工事で中止になったからな…」
「た、確かにそうだな…」
それにしても覚えてない、とは誰も言わなかった。
「…あ、そうだ。莉舞ちゃんにはまだ話してなかったよね」
「……(コクン)」
時雨は女の反応を確認した後、それじゃあ説明するねと前置きし、話し出した。