完璧少女と文系男子の恋愛記録

中間テスト

藤宮刹那Side

始業式のドタバタからもうすぐ一ヶ月が過ぎようとしていた。

クラスメイトから距離は置かれているものの、嫌がらせされるようなこともなく、平和な日々が過ぎていた。

気になることといえば、斎藤君とは始業式以来、接点もないせいか話せていない。

だけど、本当にあの時庇ってくれた事が嬉しかったしカッコ良かったと思う。

何て言うか私のこと見ててくれた人が居たことが幸せだった。


そんな記憶に思いを馳せて居られるのも束の間だった。

ホームルームを告げるチャイムの音と共に担任が入ってくる。

そしてーー学年が上がって最初のテスト、中間テストがマジかであることを話し出した。


先生の言葉を聞くなり、皆が皆嫌そうな反応をする。

まぁ、気持ちは分からなくもない。

年々広がるテスト範囲。自分の将来が掛かったテスト。

気が滅入るのは仕方ない様に思う。

ーーだからといって、適当に勉強もせずに諦めるのもどうかと思うけど……

そんな事考えながら、ホームルームが終わるまでの時間を過ごした。
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