禁じられた放課後
惹かれる予感


校舎の窓から見える縁取られた景色の中で、直哉はあの女子高生の姿を探していた。

始業式を終えた生徒達が流れていく校門前のバス停。

大きな木の陰に隠れてその様子をはっきりと目にすることはできないが、

きっとまたあのバスを利用するだろうという見当だけで、直哉は窓辺の本棚に参考書をしまう作業の手を止めていた。



どこのクラスの生徒なのかもわかっていない。

ただ、
もう一度見てみたかった。




「吉原先生、部屋の整理は終わりましたか」



突然現れた声に少し驚きながらも、何事もなかったように作業を続ける。

直哉は自分の受け持ちとなる教室の整理をしている最中だった。



「まだけっこうありますね」



声の主は山根聡。

直哉にとっては大学の後輩にあたり、ここ桜台高校では国語を担当している教師だ。




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