先生の手が触れる時

鼻をつままれながら
自分の心配してることを先回りしてフォローしてくれる晴夏の優しさにちょっと嬉しくなる

晴夏はそのつまんでいた手を離すと優しく目を細める

「……あほ」
「…あほって！鼻痛いよ…」

じろりと晴夏を睨むと晴夏は首をすくめる

「晴夏って本当に人の気持ちを良く感じとるよね」

そう晴夏に向けて言うと、驚いたような顔になる

「ん？どうしたの？」
「………いや。そんなこと、言われたことなかった…」
「…そうなの？」

晴夏は少し寂しそうに頷く
そして何かを思い出すように空をあおぐ

「……俺はこの通り、愛想がいい方じゃねぇから…良く、分かりにくいとか心がないとか言われた。だから…そんなこと言ってくれるやつなんて、中々いなかったんだよ」
「……晴夏……」

彼は私の頭を撫でると、かすかに笑う

「……ありがとな」