ビターチョコレート
「好き…だよ…?」

疑問系になる最後の語尾に違和感を覚えると同時に彼女の口から俺の望んでいた二文字がでてきて嬉しさが込み上げる。

「俺も」

そう言って優しくキスを落とした。

結生は目を見開きパチパチさせる。その姿さえ愛しく思えた。




数ヶ月前

時計の針は深夜3時17分を指していた。不意に目が覚め、リビングに向かう。この時間帯には相応しくない橙色の光がリビングから放たれていた。

「奏太…すれっ…のっ…」

叔母の声が聞こえる。俺は無意識にドアに耳を傾け聞いていた。


こんな話、聞かなきゃ良かったのに…。
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