愛されたガール
”吉崎……?”
タクミさんは困ったように、私の名前を呼びました。
自分のしでかした失態に頬が赤くなります。
私などただのおチビな部下です。小学生のようだと先輩方にはからかわればかりです。官能的なぼでぃも持ち合わせていません。間違ってもタクミさんの彼女にはなれるはずがありませんでした。
”すみませんでした!!”
そう言って焦って逃げ出そうとした私の腕を引いたのは、愛を告げられた本人であるタクミさんです。
”タ、タクミさん……?”
乱暴な行為に目を丸くしている私の両手首を壁に押さえつけると、タクミさんはそのまま痺れるように甘いキスをくれました。
私はここでも自分の都合の良いように解釈します。
好きだったのは私だけじゃなかったのだと、何度も交わされる口づけの熱さを感じて、とても嬉しい気持ちになりました。
……さて、思い出話はこれくらいにして、お鍋の支度に戻りましょう。