愛されたガール
「そういうところ、大好きです!!」
包丁をまな板の上に置いてむぎゅっと背中から抱き付くと、相変わらずの無反応を頂戴しました。
タクミさんは私をずるずると引きずったままソファに戻りました。再び雑誌をパラパラとめくりだします。
私はよいしょと弾みをつけて失礼ながらタクミさんの膝の上にお邪魔しました。
「タクミさん、ちゅーしてください」
椎茸の次はちゅーを要求します。これぞ、彼女の特権です。
わくわくしながら目を瞑って、ちゅーを待ちます。
けれど、待てどもタクミさんが動く気配はありません。
薄目を開けると、タクミさんは読みかけの雑誌に夢中になっているのが見えました。
……ひどくありませんか?
私はこんなにタクミさんを愛しているというのに、読みかけの雑誌に負けたのです。
付き合って早3年。
意思疎通に問題はないけれど、時々不安になります。
そろそろ「好き」の一言くらい貰っても良いのでは?