【完】あたしはニセカノ。
「あたしが、風邪ひかないように!?」


「いや、駅まで濡れんのヤダから」


「えっ、持って来いってこと!?」


「そそ。俺に会えるから、嬉しくて飛んで来るだろ?」


正にその通り!


喜んでっ!!


って、それじゃ涼くんの思うツボだし。









「それ、都合のいい女じゃない」



「カノジョって、そーいうモンじゃん?」



挑発的な笑みをみせる涼くんから、顔を背けた。



「違うよ…カノジョは、都合のいい女なんかじゃないよ…」



傘がないって連絡をくれれば、どれだけ遠くても、



すぐに涼くんのもとへ飛んでいく。



だけど…



それは、涼くんが困っていると思うから。



少しでも力になりたいし、あたしに会えて良かったって思って欲しい。



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