クールなお医者様のギャップに溶けてます
「あーー疲れたー。」
久しぶりの外来当直はキツい。
勢いよく外来のベッドに飛び込み、横になる。
外来受付ギリギリの時間から次から次へと来ていたインフルエンザの疑いのある患者さんたちが全員帰ったのは、20時過ぎ。
一人一人、間違えないように気を付けながら検査をして、正確な結果を提出しなければならない。
判定時間が決まっているから、外来に鳴り響くタイマー音と患者さんの訴えに振り回され、頭と体はフル回転だ。
その上、緊急内視鏡の指示も出るし、お手上げ状態。
ちょうど帰る間際の神野先生と師長がいたから内視鏡の方は手伝って貰えたけど、20時の時点でクタクタだ。
しばらくベッドで仰向けになり、腰を伸ばしていると、一緒に当直の藤井先生がぬっと目の前に現れた。
「あ、藤井先生、お疲れ様です。」
起き上がり、そのままベッドに腰掛ける。
すると、藤井先生が隣に座り缶コーヒーをくれた。
「インフルエンザの時期は大変ですね。」
「そうだね。しかも今日、当番日でしょ?これからまだ来るのかなぁ。」
「来るかもしれませんねぇ。」
はぁ、と二人でため息をつき、一緒にコーヒーを飲む。
当番日とは、地域の第二次救急を扱う中小規模の病院がそれぞれ持ち回りで優先的に急患を受け付ける、というシステム。
その日にちは事前に知らされている訳だから出来る限りの対応をしなくてはいけなくて、忙しいのが目に見えてる。