クールなお医者様のギャップに溶けてます
病室に戻り、山田さんをベッドに移すと山田さんがじぃっと顔を見てくる。

「何かついてます?」

「いや、今日の亜樹さんはマスクをつけた方が良いかもしれんと思ってな。」

「何でですか?」

「亜樹さんは顔に気持ちが出易い。仕事中はそんなことはないけど、さっき先生の話をしている亜樹さんはすごく可愛らしい顔をしてた。それが無意識だとしたら、先生が目の前に現れた時、隠す事が出来ないんじゃないか、と思ってな。」

余計なお世話かもしれんが、と言う山田さんにむしろ感謝する。
顔に出やすいのは分かっていたけど、そんなに分かりやすいとは思わなかった。
急いでロッカーへ戻り、マスクを付ける。

これで良し。あとは仕事を頑張るぞ!

身体をばしばし叩いて気合を入れ、ロッカーを出ると、ちょうどそこに当直明けの先生がいた。

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