クールなお医者様のギャップに溶けてます
5日目。
本日最後の患者さんが終了。
プラス先生の盛大なため息あり。

それがあまりに嫌味な感じ過ぎて、限界を感じた私は検査終了後、先生を引き止めた。

「先生、何か間違っていますか?間違っているなら教えて下さい。」

一瞬、先生は驚いたように目を大きく見開いたけど、すぐに冷静ないつもの視線に戻る。

「俺がどのタイミングで視線を送り、どんな時に何を必要としてるか少しでも考え、工夫をしてみたのか?難しい事は要求していない。何でも細かく教えないと分からないのか?それに根本的に間違ってるだろ。俺は君の指導係ではない。」

ごもっとも…。
私は教えて貰えるのが当たり前だと思っていた。
先生の言う通りだ。

ただ、今の先生の一言で、指導してくれている先輩看護師たちのメンツを潰してしまった。周りを見ればみんな引きつった顔をしてる。雰囲気が明らかに悪くなった。
私のせいだ…。最低最悪…。


残りの一週間は担当医が神野先生ではなく、穏やかで優しい先生になったから何とか無事に研修期間を終える事が出来たけど、胸にモヤモヤしたものが残った。

こんな感情、二度と味わいたくない。
そう思って必死に勉強して努力した。
あの時の事を記憶から消し去れるように。
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