俺様系後輩からは逃げられない?!
公園に着いた
電灯の灯りが当たる場所は明るいが
その他は暗い
「早速始めましょうか!」
「そうだね〜どの花火からにしようかな…」
「ロケット花火……」
「それは流石にしないでおこうよ」
「ちぇー…」
「もっと人いる時にしよ?」
「まぁここじゃちょっと危険だしね」
私は早速
線香花火に火をつけた
「…久々にしたなぁ、キレイ」
「先輩、火ちょーだい」
そう言って
純くんは私の線香花火に
自分の花火を近づけてきた
それがやけに緊張した私
「ありがと」
純くんは
その持っていた花火が終わると
他の花火をいくつかもって
火をつけた
そして少し離れたところで
花火をする
「見て見て!キレイじゃね?」
「そんな一気に沢山は危ないよ」
純くんはあどけない笑顔を見せる
「………スキ」
私はつぶやいた
その瞬間
純くんはこっちを見た
…もしかして…聞こえた?!
私は焦った
「先輩の花火、火落ちちゃってるよ」
「え…あ、ほんとだ!」
「何してんだよ〜」
…良かった
聞こえてなかったか…
ホッとしたような…
どこか悲しいような…
「はい、俺ので火つけなよ」
「あっ、うん」
私は純くんの方へ寄って
火をもらう
すると
「小春先輩」
「ん?」
「…ありがとう」
純くんは優しい笑顔で言った
火をもらったのは私なのに
何で感謝されてるのかわからなかった
「何が?」
「…何でもないよ」
「……?」
純くんは
楽しそうに微笑っていた
それを見て私も笑う
2人でこんな風に楽しく笑い合えるのが
この時までだったなんて
この時の私が想像するはずもなかった