幼なじみの彼と彼女
横でマシンに跨がる祥太郎は。

普段感じられない緊張感に溢れていた。

4番手スタート。

なかなかいいポジションにいる。

名前が呼ばれて祥太郎が観客に手を振る。

間近でその様子を見ていると。

やはりここには自分が知っている祥太郎はいない。

「祥ちゃん」

梓はピットに戻る前に祥太郎に声をかけた。

祥太郎も梓を見つめる。

「頑張って!」

祥太郎は頷いて真っすぐ前を向いた。
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