幼なじみの彼と彼女
「拓ちゃん…」

梓は服を着替えて、ようやく泣き止んだ祥太郎と共に家に行った。

まるで寝ているような拓海。

そっと顔を触る。

…冷たい。

死んだ人がこんなに冷たいなんて、思いもしなかった。

拓海の横では真由がずっと泣いていた。

目の前で起こった惨劇。

突然、大切な人がいなくなるなんて。

しかもこの二人は。

高校を卒業して、結婚しようって言ってたのに…



後日考えたのだがもし、真由と同じような体験をしたら梓は生きていけない、と思った。

多分、絶望に打ちのめされて、後を追う。
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