幼なじみの彼と彼女
「…凄い」

レースも終わり。

その次の週。

テレビ局が取材した内容が地方ニュースの特集で放送された。

登校シーンもちょこっと放送されて顔面真っ赤になった梓だったが、久々に祥太郎がサーキットで走行する姿を見て鳥肌が立った。

サーキットを走行している姿を前に見たのはまだ小学生の時で、もう随分前の話だ。

体型も変わって、また乗り方も随分上手くなったと、素人が見てもそう思う。

サーキットで走る祥太郎の表情は梓が見たことのない表情だった。

そこにはまだまだ甘えっ子な中学2年の祥太郎はいない。

勝負に生きる鋭い目をした祥太郎がいた。
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