幼なじみの彼と彼女
「やっぱり、拓ちゃんに似てるよね」

睦海の気持ちよさそうな寝顔を見ながら梓は言った。

「そうだね」

祥太郎は切ない笑みを浮かべた。

拓海が生きていたら…

常にそう思う。

今後心配なのは。

睦海が大きくなって総一が実の父親ではないという事がわかった時。

考えただけでも身震いを起こす。

睦海がすんなり受け入れてくれたらいいけど。

総一は一生、言うつもりはないと言っていたが。

「あ、祥ちゃん、起きたよ」

梓の声で我に返る。

睦海の可愛いらしい目が祥太郎を捕らえていた。
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