幼なじみの彼と彼女
「祥太郎くんの、どこが好き?」

いきなり、そんな事を聞かれて梓はめまいを起こしかけた。

突然、言われても。

「私からすればあんな幼なじみって羨ましい」

真由は梓を見て微笑んだ。

「でも、態度悪いですよ、私には」

梓は頬を膨らませる。

真由に見せる態度と梓に見せる態度があまりにも違うから。

梓は腹が立って仕方がない。

「それは祥太郎くんの甘えじゃないかな?」

梓はそう言う真由を見つめた。

「祥太郎くんってね、ああ見えてもすごい才能のある子なんだよ。
拓海くんよりも才能はうんとあるから、その分、プレッシャーもあるみたい」

真由は立ち止まった。

梓も立ち止まって真由を見つめた。

「家族にも甘えにくいみたいだし、甘えられるのは梓ちゃんだけだと思うよ」
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