幼なじみの彼と彼女
でも。

甘えとはいえ。

梓には当たり散らされているとしか思えなかった。

優しさの微塵もない。



…昔は。

こんな事、なかった。



小学校の時には毎朝、

「あずさ〜!!学校行くよ〜!!」

って自分の玄関から叫んで迎えに来てくれたのに。

近所の人達も毎朝笑って見ていてくれた光景なのに。

小学校6年になってから。

急に喋らなくなって。

お迎えもなくなって。



目が合ったら睨まれた。



久々に話したと思ったら。

酷い言い方をされて、見舞いになんか行かなければ良かった…

なんて、梓は思っている。
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