【完】強引に、キス

「よし、そうと決まれば、今週の土曜日は音亜ん家お邪魔して、チョコ作りね」

ちょうどその話をしていると、悠雅が教室に戻ってきた。


「ね、悠雅っ……」

今の悠雅、ここ最近に見せなかった一番の不機嫌で、椅子を蹴って出し、音を立てて座る

「悠雅、何かあったの?」

「あ?」

「…っ」

やばい、私にもこの返事ってのは相当やばい。びっくりして言葉に詰まると、悠雅はハットして手を握ってきた。

「わりぃ…ちょっと色々あってな。音亜充電させて」

すぐに態度が変わって、いつもの悠雅になった。端から見れば。

声がね、変わってないんだ。

私は手を握って顔を伏せる悠雅のあたまを撫でる。

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