かすみ草の恋
「ほら、レイジ?
今井くんは先輩だよ?
そんな言い方はダメだよ。」


と橘が嗜めると


「チッ!
ミカはそういう所堅すぎんだよ!
でも、まぁ、ミカが言うならしょうがねぇか。
今井くんでしたっけ?あなたはミカとはどういうご関係でしょうか?」


敬語の所は完全に棒読みで言いやがった



「ちょっと〜」


と口を挟もうとする橘を制止して
山田弟には見向きもせずに
俺は口を開いた。


「橘?
俺も行っていい??」


「えっ? ああ〜!
はいはい。どうぞ。
たくさんあるから是非食べに来て?」



「レイジと今井が来たら
私の食べる量減る〜!!」


と山田が橘に抱きついたまま言った。


「ふふっ(笑)大丈夫よ。
リンカは初めから
声かけるつもりだったし(笑)
本当にたくさんあるの。
ママのお友達からりんごたくさん貰ったから作ったんだけど…
りんごもお裾分けしたいしね!」


と、優しい顔でニコッと笑った橘



ハンパねぇ


カワイイ!!


俺がとろーんとした顔で橘を見てると


山田弟も同じ顔で橘を見ていた。


ハッとして山田弟を見ると、向こうも気が付いたらしく


キッと俺を睨んだ。


売られた喧嘩は買う主義の俺も
ギロッと睨み返した。


その光景を見た周りの奴らは俺と山田弟を交互に見た後、橘を見た。



自分の事で俺らが一触即発の雰囲気である事なんか気にも止めてない橘は


俺らを見て


「レイジも橘くんもどうしたの?
そんな怖い顔して。
なんだかよくわかんないけど、
2人ともカッコいい顔してるんだから怒らないで?ちょっと手いい?」


と言って、俺らの手を切ると


ポケットからイチゴの飴を出して
俺と山田弟の手に乗っけた。


「これ舐めて機嫌治して?」


と、困った顔して俺らの事を見て
フッと笑った。





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