かすみ草の恋
背を追い越してからの俺は
女から凄く騒がれるようになった。


チビと言ってからかってきた女どもも
コロッと態度が変わった。


ミカだけは何も変わらなかった。


どんな俺にも同じだった。


ミカは学校にいる時は
顔を隠すように、出来るだけ目立たないようにしていたけど


帰ってくると
愛らしい瞳で俺を見て
ニコッと笑うんだ。


前髪をチョコンと結んで
俺の好きなお菓子をニコニコしながら
焼いてくれるんだ。



1度だけ俺のダチがミカのその姿を見た時は固まってたかんな。


「お前のネェちゃんの威力は
ハンパじゃねぇけど、橘さんもすっげえ
美人じゃねぇか!なんでいつも下ばかり見てんだ?まぁ不細工とは思った事は無かったけどよ〜」



まぁ、ダチに気づかれた途端
ミカは申し訳なさそうに微笑んで
固まって下を向いちゃったんだけどな…


それくらいから俺はミカに夢中になって姉貴は俺を警戒してあまりミカと2人きりにしてくれなくなった。


「ミカは私のミカよ?
レイジは男なんだからもうそろそろ
ミカ離れしなさいよ!」


と事あるごとに文句言われる始末


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