かすみ草の恋
7 橘 美佳 アップルパイ
高校から家までの帰り道……


我が家から高校までの道のりはバスで5駅だ。


3駅めで途中下車していつもの店で
紅茶を買って自宅へ向かっている。



「レイジ〜‼︎もうそろそろリンカにメールするね」


と言うと


「えー!!なんでだよーっ?!
あの2人は2人でいたいんじゃないの?
俺らは俺らでいいじゃん。
いつも姉貴がミカを独り占めしてさー
今日は俺がミカを独り占めしたい!」



と言って子どもみたい駄々こねながら
ふざけて肩を寄せてくるレイジ。


っんもう!


レイジは自分がどれだけ素敵な
男の子って自覚あるのかな?


小さくて可愛かったレイジが
見上げるほど大きくてかっこいい男の子になっちゃって。


でも相変わらず私に甘えてくるし
性格もとても優しくて
凄く頼りになる所もあって……



レイジ程のイケメンはなかなか
いないから見てるだけで
ドキッとしちゃう…


なーんて考えてると


「やっぱりね!!
来て見て良かった!!
レイジ!盛るな!!
ちょっと目を離すとすぐミカに
ベタベタしてぇ!」


と後ろから大きな声がして振り返ると


そこにはリンカとバイクを押して歩く今井くんがいた。


うわぁ〜絵になる


2人で歩いてると本当素敵だなー


でも、リンカと今井くんを見てるとなんだかレイジに申し訳ないなー


さっきも紅茶のお店でジロジロ見られたし……
レイジは超絶イケメンなのに
一緒にいるのが私だもんね。


カップルじゃなくてもなんだか悪いよ。



「レイジ…ごめんね。
私となんて一緒に歩いてたらレイジの
評判落ちちゃうよね…
それなのにいつもレイジは私といても
堂々としてくれるから凄く嬉しい。
ありがとね…」



「はぁ?
何言ってんだよミカ!
俺がいつでもミカといたいんだからいいの。
それに、俺とミカはお似合いだと
俺は思うぜ?(笑)」



と言って後ろの2人に見せつけるように私の肩を抱いた。


「やぁやぁやぁ、お二人さん
随分早いね?
姉貴達、本当お似合いだな!
付き合っちゃえよ!(笑)」


とリンカと今井くんに声をかけるレイジ
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