天狗娘は幕末剣士
朝ご飯を食べ終えると、私は1度部屋に戻り、小太刀を差した。
……行かなきゃ。
もう1度、斉藤さんの顔を見て、私は部屋を出た。
玄関を出て、屯所の門を潜ろうとした時、後ろから声を掛けられた。
「杏子ちゃん」
「え……」
振り返ると、そこには寝間着姿の総司が立っていた。
「総司……」
「杏子ちゃん、どこ行くの?」
「……ちょっと町まで」
「ふーん」
ああ、こういう時の総司の目は苦手だ。
なんだか、心の奥まで見透かされてそう……
「……じゃあ、私行くね」
そう言って歩き出そうとした時