天狗娘は幕末剣士
そんなことを思いながら、廊下を歩いていると、声が聞こえてきた。
「どないなってるねん!」
「お話がちゃいますやん!
芹沢はんと会わせておくれやす!」
な、なんか言い争ってる、みたい……?
っていうか、今確かに芹沢さんの名前が出たよね。
彼の動向を探るように言われた私にとって、これは見ておかなければいけないような気がした。
とにかく、現場に行ってみよう。
私は、声のした八木邸の門の方へ向かった。
八木邸に向かう途中、急ぎ足で廊下を歩いていると、曲がり角で人とぶつかってしまった。
「きゃっ」
ドンッとぶつかり、少しよろける。
「す、すみませ……」
バッと顔を上げ、謝罪の言葉を口にする。
だけど、相手の顔を見た瞬間、私は固まってしまった。
っせ、芹沢さん……!
ぶつかった相手は、私の中で話題沸騰中の芹沢さんだった。