天狗娘は幕末剣士
「だけど、殺すなんて……」
「しょうがないじゃない、会津藩から言われちゃったんだから。
ね、土方さん」
「え……?」
総司は珍しく苦笑いをしていた。
話を振られた土方さんは、目を閉じたまま私にこう言った。
「今日、会津藩から芹沢を斬るように、正式なお沙汰があった。
どの道、芹沢を殺すのは決まっていたんだ。
その時期が、少し早まっただけだろ」
「でも……」
本当に、他に方法は無いにかな……
「土方さん、他に方法はありませんか?
芹沢さんを殺すのでは無く、生かす方法は……」
「甘いこと言ってんじゃねえ、杏子。
もう決まったことだ、芹沢は斬る」
「だけど、芹沢さんは脱隊を考えています。
明後日になれば、彼は姿を消します。
それまで、待つことはできないんですか?」
「駄目だ、会津藩、俺達の主君の言うことだぞ。
主君の命令は絶対だ、俺達は武士だからな」
「でも!芹沢さんの気持ちは……!」
「そんなの、関係ねえよ」
そんなっ……!