生意気な彼女
「用って、なんだった?なにか、相談?」
生まれた熱を逃がすようにグレーのセーターの首元をつまんだヨウジくん。
彼を見ていたら、自然とこぼれ落ちてしまった。
「付き合って」
「………え?」
「付き合ってほしいんだけど」
かたちのいい唇を、「え」と開いたまま、ヨウジくんの動きが止まってしまった。
でも、構わず喋りつづける。
「だって、いちばんにヨウジくんの顔が浮かんじゃって。ヨウジくんしか、思い浮かばなくて」
「……サクラちゃん?」
状況をのみ込めずにいるヨウジくんの前で、手にしていたショッパーからベージュ色の箱を取り出した。
そして、その箱の中から黒色のパンプスを出し、
「私のくだらないお願いに、付き合って」
そう言ってパンプスを地面に置いた。