オレ様専務を24時間 護衛する Ⅱ


やっぱり、京夜様と離れ離れにされてしまうんだ。

何となく予想はしていた。

会場に私の姿があるだけでも問題なのでは?と思っていた。


だけど、京夜様が私の同行を求めて来たから

それを断る事が出来なかった私に責任がある。

お母様のお手を煩わせてしまった。

私に、彼の傍にいる資格は無い。


私の目の前で彼が連行されてゆく。

彼は必死に視線を送ってくれる。

もう、それだけで十分。

短い間だったけど、凄く倖せな時間だった。


好きな人と食事をして

好きな人の運転するバイクに乗せて貰い

好きな人の隣りを歩けただけで悔いはない。



「希和っ!必ず迎えに来るから!!」


護衛の腕の隙間から私に向けられた最後の言葉。

胸を熱く焦がす彼の想いが籠った言霊は

きっと、一生忘れはしない。


ありがとうございます………京夜様。



男性陣が去った控室は静寂に包まれた。

私は目の前にいるお母様に深々とお辞儀をした。


「今日まで大変お世話になりました。拙い私にいつでも優しく接して下さり、感謝の言葉もございません」


ここ数カ月の出来事が走馬灯となって脳裏を過る。

次第に目に涙が浮かんで来た。

すると――――。


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