オレ様専務を24時間 護衛する Ⅱ
パーティーは幕を下ろし、次々と招待客が席を立つ。
京夜様のご両親は天宮ご夫妻のもとへ歩み寄り、
何やら楽しそうに話し始めた。
京夜様の手に支えられ席を立つと……。
「あの、御影さん」
か細い透き通るような声音が耳に届く。
振り返らなくても分かる……その声の主が。
「お前なぁっ!!状況が分り次第連絡を寄越したって罰は当たんねぇだろっ!!」
「京夜様っ!」
「希和は黙ってろっ!」
「ですが……」
「いいんです、希和さん。悪いのは全部私ですから……」
「いえ違います!自分がもっとハッキリと態度にしてれば良かったんです」
彼女の後ろにいる三浦さんが口を挿んで来た。
「そうだな。貴様がもっとしっかりしてたら、希和が傷付かずに済んだものを……」
京夜様の怒りは三浦さんにも飛び火した。
「本当にご迷惑をお掛けして申し訳ありませんでした」
「ほら、凪彩も頭を下げて」
「あっ、はい。………本当にすみませんでした」
凪彩さんは三浦さんの言う事なら何でも聞くのね。
令嬢と呼ばれる彼女でも、
好きな男性の前では乙女に過ぎない。
……私とは全然違う。
私なんて、彼の護衛が出来るくらい強い女。
線の細い彼女のドレスに視線が釘付けになっていると、
「辻が花の振袖が似合う女性を初めて見ました。とってもお綺麗ですよ」
「ッ?!/////」
サラリと社交辞令のお世辞を口にする三浦さん。
さすが、社長秘書をするだけの事はある。
ほんの少し嬉しさに口元が緩むと、