オレ様専務を24時間 護衛する Ⅱ
「どこにも寄らずに、マンションへ戻りませんか?」
「えっ?」
「家で、京夜様とゆっくりしたいです」
「…………そうするか」
「はいっ」
俺の胸中を察したのだろうか?
それとも、本当に俺とゆっくり寛ぎたいとでも思ったのか。
彼女の心境は分かりかねる。
だが、彼女の表情が穏やかなところを見ると、
無理をしてるとは思えなかった。
自宅に戻り、彼女はホットプレートをテーブルにセットした。
「何を作るんだ?」
「お好み焼きです」
「お好み焼き?………食べた事ないな」
「えっ?!たっ、食べた事ないんですか?!」
「ん、無い」
お好み焼きって、何?
バーベキューみたいに好きなモノをプレート上で焼くのか?
ちょっとワクワクしながら準備する彼女を眺めていた。
イカ・タコ・エビ・チーズ・豚肉……
挙句の果てには小さくカットされた餅まで登場し、
俺は好奇心で、子供のように瞳を輝かせた。
「いいですか~?こうやって生地を混ぜて、よく混ぜたモノを油を敷いた鉄板で焼きます」
「ん~」
「大体に火が通ったら、ひっくり返して……」
「ん~、なるほどなぁ」
手際よく仕上げて行く彼女の手元に釘付けになった。