壁に、おひさま
芸術の秋ですから
「イズミさん、手伝いに来てよ」

 真一くんが電話をしてきたのは、金曜日の夜遅くのことだった。
 高校の文化祭に出品する絵を手伝ってほしいと言ってきたのだ。

「でかいのにしようと思って」
「どれくらい?」
「教室の壁一面」

 いいよ、と気楽に返事をしたのは先日、恋人と別れたところだったから。
 週末に予定が出来るのは、ありがたかった。

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