君の絵を描かせてくれ。



真幸さんの軽トラでやってきたのは、
動物園だった。





動物園⁉︎子供じゃないんだから!





『……やっぱり私のことバカにしてますよね。』



「んなことねぇって。それは動物たちに失礼だぞ。」




それはそうかもしれませんが。


まぁ、別にデートってわけでもないのに何を期待してたんだって話ですけど。











それから、園内を回り始めると久しぶりの動物園は案外楽しくて、子供みたいにはしゃいでしまった。





真幸さんは私に付き合いながら、持ってきたカメラで何枚も私を撮っていた。








『ねぇ、せっかく動物園まで来たのに動物撮らないで私ばっかり撮ってどうすんの?』




「バカ。いろんな表現のお前を見たいから、こうやって来たんだろ。」





えっ。そうだったんだ。

それでカメラで撮ってるんだ。





「だからお前はそうやって楽しそうに笑ってればいいの。何も考えるな。」













そうしているうちにお昼になって、ベンチでご飯を食べた。





ドヤ顔で差し出した弁当は、意外とあっさり「美味いじゃん」と言われ、拍子抜けした。



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