君の絵を描かせてくれ。
可愛く描くから。




次の日も私は学校帰りにおじさんのところへ向かう。





「また来たんかよ。」


『来なくていいって言われると逆に来たくなっちゃうタチなんで!』


「そりゃ、誤算だったわ。」


ふふん♪

『ねぇ〜!何描いてんの〜?』


私は覗き込もうとした。すると、


バッ


「見せるわけねぇだろ。」


チェッ!隠された!

『ケチ〜!』

べっー!

「俺の絵を見ようなんてな、100万年早い!」



どんだけお偉い絵描きさんなんだよ!

私はおじさんの前にしゃがみ込んだ。




『おじさんって、絵だけで生活してんの?』

「まぁ、食える程度にはなー。」

『食える程度か。いつも同じような格好してるもんね。』

「ほっとけ。」



苦労してそうだもんな〜。

おじさん見てると大人になるのが怖くなるな。

< 5 / 50 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop