俺様魔王の甘い口づけ
「わかりました。芽衣子さまがそこまでおっしゃるなら・・・」
「ありがとう」
「ですが、私はついて行くことはできません。私は、魔王さまのとの契約でこの城から離れることはできないのです」
「そうなの?うん。大丈夫、一人で行けるよ」
ハンスに迷惑はかけない。
私一人だってやってみせる。
「くれぐれも、お気を付けください」
「うん。わかった」
「ルイさまは、夕刻にはお戻りになります。できる限りそれまでにお戻りください」
「わかった。気を付ける」
心配そうなハンス。
なんだか、保護者みたい。
「芽衣子さま、これを・・・」
「え?これって・・・剣・・・?」
「もしもの時には、これで・・・」
「わ、私、こんなの使ったことないよ」
「ですが、なにも持たないよりは心強いと思いますので」
ハンスの思いに押され、それを受け取る。
腰に専用のベルトを巻きつけ、それに剣を差し込んだ。