俺様魔王の甘い口づけ
なんという残酷な仕打ち。
芽衣子が何をしたというのか。
ただ、自分のために泣き、自分のために手を差し伸べてくれただけ。
ただ、愛してくれただけ。
それなのに。
「芽衣子ッ!なぜおまえが死なねばならんのだ!」
ルイの瞳に、浮かぶ涙。
初めて見せるその涙。
「なぜ、俺なんかのために使ったのだ!これでは・・・、お前を救えんではないか!」
なんと無力なのか。
どれほどの力があったとて。
大切なものを守れなければ、無意味だ。
なぜ、失ってから気づくのだろう。