俺様魔王の甘い口づけ
「でも、そのカプセルに二人の命を救うほどの力はない。だから・・・、あなたたちの相手を思う気持ちがカプセルに力を与えたのかもしれないわね」
「相手を思う気持ち・・・」
「見てれば、あんたたち自分の事なんてそっちのけで相手の事ばっかり。やめたやめた。なんかそんなあんたたちの心臓をもらうの気がひけるから。契約はこっちから取り下げさせてもらうわ」
「え・・・?」
リリーはそう言うと、ひらひらと手を振って姿を消した。
ルイが、芽衣子の胸元を見るとすっかり契約のしるしは跡形もなく消えていた。
ルイの胸元も、同じくきれいさっぱり消えていたのだ。
「リリー・・・ありがとう」
そのために、ここまで来てくれたのだと。
芽衣子は瞳に涙を浮かべる。
そんな芽衣子をそっと寝かせ、ルイは立ち上がる。
「ルイ・・・」
少し不安になった芽衣子はルイを呼ぶ。
ルイは、芽衣子に微笑みかけると軍勢に向き合った。