俺様魔王の甘い口づけ


「どうだって関係ないわ。私があいつの事嫌いなことに、変わりはないもの」

「芽衣子さま…」



私はそう言い捨てると、自分の部屋に向かって歩き出す。
例えば、仮に本当に私を助けてくれようとしていたとしても。
その方法を、私は認めたくない。

殺さなくても、助けることはできたはず。
それなのに、そうはせずきっと一番簡単な方法で終わらせた。

そのことが、許せないの。




魔王さまだか何だか知らないけど、命をなんだと思っているの。





「あ―イライラする!」





こっちに来てから、イライラしてばかりだ。
ストレスがたまって気が変になりそう。


一人ぼっちって、辛いな。





部屋に戻れば、本当に一人ぼっち。
気を許せる人がいないから、気を緩められるときがない。
だから、一日終わるころにはどっと疲れてしまった。


いつになったら戻れるんだろう。
そんなことばかりを考えてしまう。





< 47 / 425 >

この作品をシェア

pagetop