業務報告はキスのあとで

「え、何それ、絶対に悪いと思ってないじゃん」

「思ってます。勝手な言い掛かりはやめてください」


平岡さんのウザ絡みへ、イライラしつつも真面に返事を返す私。

そんな私と平岡さんの絡みを横で見ていた手島さんがここで一言


「あれ。仲良いじゃん、2人とも」

「え?」


私は自分の耳を疑った。


〝仲良い〟?

私と、この平岡さんが………??



「な! そ、そんな訳ないじゃないですか! やめてください!」


必死で否定する私とは反対に「でしょ?」なんて言って笑っている平岡さん

そんな私達にクスクスと笑った手島さんは、私がまとめた資料を持ち上げると


「いやー、いいんじゃない? 意外と合ってるのかもしれないよ」


ま、頑張って。と右手をひらりと振り去ってしまった。


「て、手島さん…!」


そ、そんな……やっぱり教育担当は平岡さんのままだってこと??

完全に先程の冗談を真に受けてしまっていた私にとって、この現実は割と辛いもので。

去って行く手島さんの背中を見つめながら、小さく溜息をこぼした。

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