最後のひとり
まなみ「ー!」

振り返ると刃物を振りかぶった優花がいた。頬から生暖かい血が流れた。

優花「あー、後ちょっとだったのに。」

まなみ「優花…?」

優花「私さー、まなみのこと正直嫌いだったんだよねー」

まなみ「何言ってるの?!」

優花「私はまなみがまさきを好きになる前からずっと好きだったの。なのに、たいちから乗り換えちゃって。」


優花は本気で私を殺す気だ…。制服に血がついてる。きっともう何人かは殺したんだ。


まなみ「ねえ、落ち着いて話そう?」

優花「はぁ?(笑)落ち着いてるんだけど。」

まなみ「私はこの殺し合いに参加するつもりはないよ。」

優花「だから何?いっつもそーやっていい子ぶって、お前みたいなのが一番嫌い。」


そう言って優花はまた刃物を私に突き立てた。


まなみ「きゃっ…!」


優花「?!」

まなみ「ま、まさき?!」

まさき「よっ!(笑)」

まなみ「まさき…血が…」


優花のナイフはまさきの背中に刺さった。まさきがかばってくれた。


優花「なんで?なんでこんなやつかばうの…?」

まさき「好きだから。」

優花「…ばいばい。」


優花はそう言い残してどこかに行ってしまった。


まなみ「まさき…」

まさき「何泣いてんだよ(笑)」

まなみ「だって…血が…!!!」


ボタボタと血が出ている。
私のせいで…。


まさき「そういえば綾奈みつけた。今はたいちと4組にいる。お前も早く行け。俺は置いてけ。」

まなみ「なんで?!まさきも一緒に行かなきゃ!!」

まさき「見りゃ分かるだろ?(笑)もー俺は無理だって。」

まなみ「やだ、一緒がいいよ」

まさき「早く行けって。みんな心配するしさ。」

まなみ「死んじゃうの?」

まさき「そりゃーこんな血でてるしな(笑)」

まなみ「ごめんなさい…。」

まさき「俺が勝手にしことだから、気にすんな。」

まなみ「嫌だ、今までずっと一緒だったじゃん、嫌だよ…。」

まさき「俺が死んだらすぐ行けよ。」

まなみ「…。」


まさきが段々と冷たくなって、呼吸の音がしなくなった。
その間は一言も言葉を交わさずただ最後の時を待った。
< 9 / 19 >

この作品をシェア

pagetop