激愛
あたしを抱きしめているこの男は寝息を立ててぐっすり眠ってしまったみたい



前の座席の運転手さんと総長さんはあたしがドアのほうににじり寄っていることに気が付かない




逃げ出すなら今しかない・・・!



あたしは抱きしめている男の腕の力が緩んだ瞬間ドアの取っ手に手をかける




歩道の青信号が点滅し始めた瞬間ちらっと男の方を見るとドアを開けて外へと飛び出した



「おい!小西、ドアロックしろ!」



「え?は・・・・はいっ!」



出て行く瞬間そんな声が聞こえたけどあとの祭り



あたしは大通りの人波を掻き分け走り出した



幸い、この通りはケーキショップや10代の女の子向けのリーズナブルな値段の店が沢山軒を連ねている




今日は近隣の高校でも入学式だったのか真新しい制服姿の高校生が沢山通って賑わっているから・・・・



紛れて撒くことだって案外簡単かもしれない




そう思ったあたしはなるべく人の波に逆らわないように駆け足で自宅を目指した




「はあっ・・・・もうなんであたしがこんな目に遭わなくちゃなんないのよ?最悪」




お腹は空くし走り過ぎて疲れ果て自宅に帰るや否やベットに倒れ込んだあたし・・・




結局その日の晩御飯は外食になり親子水入らずでお寿司をつまむ羽目になった
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