激愛
「なあ・・・俺言ったよな?旧校舎に来いって・・・・帰られると困るから校門で待ってたっつうのに」



「はあ?そっちが勝手に言ってるだけであたしは一言も行くって言ってないし・・・」




あたしがこの男、龍一とやらを睨みつけると前の座席の総長さんがくすくす笑い出した



「全く面白いね~龍に向かってそんな態度とる女の子初めて見たんだけど?」



あたしの方を見ながらそう話す総長さん



そんな態度って、この人に対して別に媚を売る必要もないしこれがあたしの素なんですが何か?



そう言いたかったけど総長さんがあんまり優しい笑顔を浮かべているから言葉を呑み込んだ




「そんなことよりもこれって誘拐ですよね?あたし今日は寄るところがあるから忙しいんで
もう帰りたいんですけど・・・」




「ああごめんね、瞳ちゃん紹介が遅れたけど俺は矢島総一郎っていうんだ・・・・で今日は龍がどうしても瞳ちゃんに話があるっていうから旧校舎に呼んだんだけどすれ違っちゃったみたいだね」




「話って一体・・・?「今、俺らの溜まり場に向かってる・・・そこで話す」



そう答えると目を瞑って寝てしまった彼・・・・あたしを横抱きにして抱きしめたまま



重くないのかな?ああ今更ながら恥ずかしくなってきたんだけど・・・



それに溜まり場って暴走族の溜まり場でしょ?




絶対行きたくないんだけど・・・・そんな不良の巣窟みたいなとこにあたしをなんで連れてくのよ



そうだ!次の信号で赤になったらドア開けて飛び出そうか?そんなことを考えていると車は赤信号で止まった



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