激愛
「お父さん、あたし日本に残りたい」



「瞳・・・・」




「一生懸命勉強してせっかく受かった高校でもあるし友達もいる・・・・だからお父さんには申し訳ないけどあたし日本で頑張りたいってのが今の気持ち」



「そうか・・・・でも瞳、お前一人で大丈夫か?」



「え?大丈夫だよ、家事全般なんとかこなせるようにはなってきたし!」




あたしがそう答えると苦笑いを浮かべてそっと箸を置くと話し出した



「その辺はあまり心配はしてないが瞳はなんでも自分で解決しようとするだろ?」



「お父さん・・・・」



「何かあったら遠慮なくお父さんを頼れ、我慢しなくていい!すぐ飛行機で飛んでくる・・・
お前は俺の大事な娘なんだからな」




黙って頷くと自然と涙が零れてきた



だってお父さんがそんなこと言うとは思いもよらなかったし・・・



でも色々なことがあったけどあたしは一人じゃないんだって思えた瞬間だった



人間は一人じゃ生きられない、愛なんていらないと言いながら愛を欲する




お父さんの心の中にはまだお母さんが生きているんだろう




今日締めてるネクタイ・・・・それお母さんが誕生日に贈ったやつだもんね








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