激愛
秀一君がドアをノックすると中から男性の声



部屋に入り目に入って来たのはパソコンとにらめっこしながら仕事中であろう一人の男性



パソコンから目を離すことなくちらりと一瞥すると再びパソコンへと目を落とす



「あ~矢島くんから聞いてるよ、矢追成美さんと森田秀美さんだったっけ?俺は理事長の谷崎幸一だよろしくな」



「はい!よろしくお願いします」 「よろしく~!!」



「何か色々訳ありらしいけど俺でよければ力になるから遠慮なく言って!え~とクラス担任はもうすぐ来るはずなんだけどなにやってんだよあいつは・・・」



理事長さんはそう答えると入り口の方へと目をやった



スキンヘッドの強面の理事長さん、見た目は怖そうだったけど声はとっても優しそう



内線電話に手をかけようとすると突然部屋のドアがけたたましい音をたてて開いた



「理事長~遅れてすんません!転校生はもう来てますか~」



「遅い!お前はなにやってんだよ?もうとっくに来てっぞ」



「いやあ、転校生なんて久しぶりだからうちのクラスの奴舞い上がっちゃってんですよ」




そう笑いながら答える担任の先生らしく・・・・っていうか結構イケメン



品のいい黒のスーツを着こなしてパッと見は何処からどう見てもホストにしか見えない



流石この地域きっての不良校、先生も個性的な人が多いな




そんなことを思っていると担任の視線を痛いほど感じていた
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