激愛
般若のような形相で額に薄ら汗を浮かべてこちらを見ている龍さんは驚きの表情を浮かべている




あたしはいつもとは様子の違う龍さんに一瞬たじろぐときゅっと唇を噛んだ




するとあっという間に目の前が暗くなりふわっと龍さんの香りに全身包まれる




上着を掛けられそっと抱きしめられたとわかったのはすぐのこと




「悪い・・・・遅くなった、ごめんな瞳」



耳元で掠れた声で囁く龍さんの声に全身の力が抜ける



あたしは龍さんが目の前にいるのがまだ信じられなくて抱きしめている龍さんの胸をそっと押した




龍さんはそのことに気付いたのか抱きしめる腕をそっと緩めるとあたしを至近距離からそっと見つめていた




「龍さん・・・・?本当に龍さん?」




「ああ俺だ、なんだよ・・・・その顔は」



「だ、だって信じられない・・・・それになんで龍さんがここに?「その話は後だ、今は片付けることがあるから又後でな」




ちゅっと額にキスをすると背中をぽんぽんと撫でてあたしの元を離れて行く



一抹の淋しさを感じながらも龍さんの姿を目で追うと喜一君の元へ向かう




あたしは泣きじゃくる隼人を抱きしめると龍さんの匂いが染み込んだ上着をそっと握りしめた
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