激愛
あたしが喜一君に刃物を向けられているから・・・・




あたしが喜一君達に捕らえられてしまったからに他ならない




背後から羽交い絞めにしている喜一君は流石に男の子




あたしが少しでも動こうとするとがっしり掴んだままびくともしない




でもこのままじゃ幾ら龍さんでも死んでしまう




あたしのせいで龍さんが・・・!




このままじゃあたしは龍さんの足枷・・・・そんなの嫌だ!




足枷になる位ならあたしは!



「喜一君・・・・?」




「なあに?瞳ちゃん「あたしは龍さんの足枷にはならない」」




「・・・・は?なにす「あたしの龍さんへの思いを舐めないで」」



そう呟くと腹部に当てられたままのナイフを引き寄せた



ぐっと力を込め喜一君の手に自分の手を重ねると自分からお腹にナイフを突き立てた




真っ赤な血がスカートをあっという間に濡らすと脳天まで痺れたような痛みが走る






愛しいひとの、龍さんの声が遠くで聞こえて・・・・





最後に見えたのは真っ赤な血の海・・・・あたしは誰かに抱き寄せられるとそのままふっと意識を飛ばした

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