激愛
居てもたってもいられずにあたしは走り出した



ふっと目が合いあたしに視線を走らせる龍さん



あたしが目の前に来ると穏やかな笑みを浮かべる



ちらりと隣の女に視線を移すと腕を振りほどいた



女は驚いたようにあたしと龍さんを交互に見つめる



すると女は凝りもせずに再び龍さんにしな垂れかかり胸を押し付けるような仕草



勝ち誇ったような顔の女にあたしはもう切れる寸前



触らないで!そう思った瞬間女はちらりとあたしを一瞥した



「龍一さん~この女誰なんですかあ?この後あたしと食事でも行きませんか?なんなら何処か静かな所「離れろ・・・」




「は・・・?「離れろってんだろ!いい加減にしろ!俺は忙しいんだお前見てえな女に構ってる暇はねえ失せろ!」



「龍さん!もういいでしょ?行こう」



「ちっ・・・・香水くせえし・・・とにかく役所にすぐ向かうぞ」



「えっ?なんで役所って何か用でもあるの?」



「はあ?忘れたのかよ・・・信じらんねえ、「へ・・・あっ・・・!もしかして」



「なんだよ言ってみろよ、違う答え言ったら今晩お仕置きだぞ」



口角を上げて語る彼が何時になくご機嫌なのはたぶん気のせいではないはず


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