激愛
俺たちの仲間は家庭に問題を抱えた奴が多い



自然とそんな奴らが集まってきて神龍と言うところはもう一つの自分の居場所



自分をさらけ出せる場所、そんな風に思ってる奴らがほとんどだ




それは俺たちの先代から続いていて自分の兄貴や親が神龍にいたって奴もいるほど



そんな神龍は俺にとっても大事な場所・・・・その場所がたったひとりの女によって引っ掻き回された




繁華街をナンパされ絡まれているところを偶然通りかかった総一郎が助けたらしい



俺が見たところ上条朱実と言う名のこの女、見た目は地味で決して美人とは言えないが・・・・



「何故か引きつけられたんだよ・・・・あの目がな、気が付いたら身体が自然と動いていつの間にか助けてた」




そう苦笑いを浮かべて俺に言った総一郎



まさかこの出会いが仕組まれたものだったなんて思いもしない



先代から数えてもう5代目になる神龍



未だかつてこの神龍に姫がいたことはない



付き合ってる女がいても歴代の神龍の総長は決して姫にはしなかった



頑なに隠し続けた、何故なら姫にして公にしたら最後他の族に狙われるから・・・・




神龍にとっての最大の弱点になる・・・惚れた女を姫にするなんて自殺行為だ




まさか朱実と言うこの女がとんでもない野心を胸に秘めていたなんて思いもしなかった
< 53 / 538 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop