犯罪彼女
「そういやお前、ズボンじゃないの珍しいな」
「お、気付いたんだ」
言われた通り。私は普段ショーパンかスキニーしか履かない。
意外と見てるね。えらい。
「……てかお前、11月の約束してた日、駅前にいたか?」
「……!」
眉をひそめながらすーちゃんは尋ねてくる。
今気付いたの? てかやっぱり気付いてなかったんだね。
「いるわけないじゃん。いたなら言うもんね」
だけど私は否定。だって、今さら気付いたってすーちゃんが気にするだけだから。
別に私はすーちゃんを困らせたいわけじゃないし。
「お前っぽい奴いたんだけどな。
スカートだったし髪も匂いも違うかったけど」
「なら私じゃないんじゃない?」
「なんかすっきりしねぇな」
すーちゃんの勘も動物のそれとほぼ同じ。すごい的中率だ。