犯罪彼女
「無様だねぇ」

ヒールの低いブーツでよかったね。痛みもだいぶましなんじゃないかな。


「そう言えば、さっき私と一緒に死ぬだとか言ってたっけ? あはは、面白い冗談だね。
……勝手に一人で死ね」

原西は憎々しげに私を睨んだ。
怒りたいのは私の方だ。

「まぁ私のデートを邪魔した君を、そう簡単には殺さないけどねぇ」

「踏んでんじゃねえよ! 殺すぞ!」

「あはは、怖い怖ーい。
……だけどその強がり、いつまでもつかな?」

口角を上げて笑った。
原西は一瞬怯んだような目を見せた。
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